日常でのバッテリーの点検についてお話しします。

点検の際重要なことは2つ。ひとつはバッテリー電解液は希硫酸です。強い劇物ですので、皮膚に触れたり、服にかかったりしないよう取り扱いには十分注意してください。
もうひとつは火気厳禁ということです。バッテリーは充電の化学反応の際、特に走行直後には引火性のガスを出しています。これに引火するとバッテリーが爆発して思わぬ怪我をすることがあります。
煙草を吸いながらや静電気の火花が起きやすい服装での点検は絶対に止めてください。

バッテリーの搭載場所はクルマによってまちまちです。乗用車はエンジンルームに積まれているものが大半ですが、中にはトランクルームやリアシートの下等に積まれているのもあります。
万が一のバッテリートラブルのときにもすばやく対応できると思いますので、ご自分のクルマのどの場所にバッテリーが積まれているかぐらいはクルマのマニュアルなどで確認しておきましょう

バッテリーが見つかったら、まず外観の点検を行ってください。
端子部分に白色の粉状の錆が出てきているのは要注意です。
接触不良やクルマのほかの部分の腐食の原因になる為、ブラシ等でよく落としてください。また端子取付部分の経年劣化によって端子付け根から電解液が滲んでいる可能性がありますので、早めに新品に交換した方が良いでしょう。

電槽(バッテリーケース)に割れやひびがないかもチェックしてください。
また電槽が外側に異常に膨らんでいるのは、寿命近いと思われます。これも注意してください。

次に液面の点検を行ってください。
白い半透明の外箱のバッテリーなら側面から液面の高さがわかると思います。わかりにくいときはクルマをゆすってみると良いでしょう。
液面の高さがUPPER LEVEL(最高液面線)とLOWER LEVEL最低液面線)の間にあることを確認してください。
液面がLOWERより下まわっていたり、UPPERとLOWERの間でもLOWERの方に近いようならば、すぐにキャップをあけて捕水してください。
捕水は精製水(水道水は不可)または市販のバッテリー補充液などを使い、UPPER LEVELぎりぎりまで入れてください。UPPER LEVELを超えて捕水してしまうとやがてキャップのガス抜き穴から電解液が噴出し、端子や車のほかの部分を腐食させてしまうので注意してください。

外側が白色半透明でないタイプのもの、または断熱カバーで覆われていなど外から液量点検ができないものの中には、上面に設けられたインジケーターによって液量が確認できます。
  
   

捕水してもすぐに電解液が減ったり、各セルの液の減りかたにばらつきがあったりする場合はバッテリーの寿命が近いと考えられます。早めに交換するようにしましょう。

また最近のバッテリーはメンテナンスフリー(MF)タイプが多くなってきています。しかし一部の密閉型などの完全MF以外のものはMF表示がしてあっても、従来品に比べて液減りが少ないという意味でメンテが全くいらないというわけではありません。やはり定期的に保守を行うようにしましょう。

突然バッテリーが上がってしまい慌ててバッテリーを見たら液枯れを起こしていたなど、バッテリートラブルの原因はメンテを怠ったためにが、ほとんどだと思います。
日頃のチェックはバッテリーを長持ちさせるコツです。ぜひやってみましょう。